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ポスト京「富岳」はARMで大丈夫?Huaweiは取引停止報道

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みなさん、こんにちわ。Vectory(@vectorywork)です。

先日、英半導体企業Armがファーウェイとの取引を停止したとの報道がありました。

これは個人的にはショッキングな出来事でしたので、少しとりあげてみたいと思います。

 

ARMとは?なぜHuaweiとの取引中止が報道されたの?

ARMは英イギリスの半導体設計会社です。

ARM自身は設計を提供していてQualcomm製CPUなどスマートフォン向けプロセッサの9割はARMベースといわれています。

 

Huaweiも例にもれずARMの技術を利用しています。

Huaweiのスマホは現在マーケットシェア世界第2位になるほど主軸事業を担っています。

 

HuaweiがARMと取引できなくなると、Krinと呼ばれるスマ-トフォン用のCPUが作れなくなり、Huaweiにとって大打撃となります。

 

米商務省が2019年5月15日に米企業からHuaweiへの輸出を事実上禁じた後、米国のプロセッサメーカーのIntelやQualcommがHuaweiとの取引を停止したと報じられていますが、イギリスの会社であるARMはもアメリカの技術を利用していることがあるため、トランプ政権の決定に沿ったという形となりますね。

 

HuaweiのArmベースのスパコンモデル「Kunpeng 920」

実はHuaweiはスパコンシステムとしてARMベースのCPU「Kunpeng 920」を搭載した「TaiShan」シリーズを発表済みです。

「Kunpeng 920」の仕様は次のとおりです。

製造プロセス7nm
CPUコア数64コア
動作周波数2.6GHz
メモリチャネル数8チャネル
ネットワーク100GbE x2
PCIePCIe Gen4対応

本当に取引が中止となった場合は、残念ながらこちらのシステムは販売終息となるでしょう。

 

ポスト京「富岳(Fugaku)」のCPUはARMベース

ポスト京の正式名称が先日公表されましたが、その富岳のCPUはARMベースであることが知られていますね。

公表されている仕様は以下のとおりです。

富岳「A64FX」Kunpeng 920
製造プロセス7nm7nm
CPUコア数48コア64コア
CPU動作周波数未定2.6GHz
メモリHBM2DDR4
メモリ容量32GB最大1TB?
(128GB x8ch)
PCIePCIe 3.0PCIe 4.0

Huaweiの仕様とよく似ていますね。Fugakuのシステム稼働は2021年と少し先ですが。

 

ARMとの取引停止で窮地に立つHuawei

仕様について色々あるかもしれませんがここでは議論しません。

 

今回私が気にしている点は、

  • ARMがHuaweiとの取引を停止した

という報道が流れたところです。

 

これによりHuaweiの事業が立ち行かなくなる可能性すらあります。

 

もし理研-ARM間の取引が停止されたら富岳は使えなくなる

考えすぎかもしれませんが、同様のことが富岳でも起こる可能性があります。

 

富岳はARMライセンスを利用してプロセッサの開発を行っているため、ARMとの取引が停止となった場合、巨額の予算を組んで開発したスーパーコンピュータが使えなくなってしまう可能性ががあるのです。

 

もちろんそうならないように対策を打っていると思いますが何が起こるかわかりません。

日本のベクトルスーパーコンピュータがアメリカ市場から閉め出されたという前例(コンピュートニク)もあります。

 

海外ISA(Instruction Set Architecture)に頼る国策スパコン

国策スパコンは、前回の京がサンマイクロシステムズのSPARCでしたが、今回ARMに切り替えました。

毎回ISA異なる点の是非はここでは議論しませんが、海外アーキテクチャに頼りながらの製品開発も見直す時期に来ているのかもしれません。

 

この機会に今一度国策スパコン富岳を見直そう

私は「富岳はダメだ」というつもりは全くありません。

むしろ逆で、日本の技術力の結晶だと思いますので頑張ってほしいと思っていますし、誇りにも思っています。

 

だからこそ、懸念点があれば警鐘を早めに鳴らしておきたいのです。

もちろん今から設計を変更することは出来ませんのでリスクを認識しておきましょうという話です。

 

ポスト京

「富岳」はARMで

大丈夫?

 

今回は、コラム的な記事を書いてみました。

反響に応じてこういった記事も書いてみたいと思いますので記事シェアとともにコメント頂けると嬉しいです。

 

それじゃ今日はこのへんで。

おわりっ!